魚偏探偵

赤崎 【福井県】

取材・文:森下真一

敦賀港・鞠山北魚釣り護岸の南には親水護岸フェリオス... 敦賀港・鞠山北魚釣り護岸の南には親水護岸フェリオスが造られている。なかなか気持ちのいい散策コースには「釣り禁止」の看板が上がっているんですがねえ…

このところ、敦賀湾内にやたら増えた魚がサワラだそうだ。今年なんかどうにもならんぐらい多い、と細山田さんはいう。ジグを投げて2、3本釣るのはわけもない。

「あれは生き腐れだ。釣ってすぐに締めたらおいしいが、ちょっと時間が経ったら身がぬかぬかして食べられたもんじゃない」水温の加減なのかどうか、新港の中でも50cmから60cmの、ホンザワラになりかけたやつが釣れるという。ホンザワラとはサワラの成魚、若魚の呼び名はサゴシである。

このサワラが追っているのが周年港内にいる小アジ。発電所の温排水の影響なのか、どの季節にも10cm程度の小アジがいる。護岸のすぐ際でその群れにザーッと突っ込んでいくサゴシの姿が見られるそう。

マアジは単にアジというが体側の黄色いラインが特にはっきりしたものはキンアジ。白っぽい普通のアジよりよく脂が乗っておいしいという。マルアジはアオアジもしくはムロアジというのだそうだ。

初冬は同じく小アジをエサにする青物ブリやヒラマサもやってくる季節。ブリは小さいものから順にツバス、アオコ、ハマチ、ワラサ、ブリと呼び名が変わり、ヒラマサは小さいものをカンパチの若魚と同様シオという。11月初旬、越前海岸にはシオを卒業したヒラマサの群れが入ってきているが、まだエサについていない。これがもうすこし先、磯周りに居着いて小アジを飽食しはじめると腹がぐっとせり出してくる。初冬は磯釣りの楽しい時期だ。

    ★☆★☆★

イシダイは縞模様のはっきりした幼魚をシマダイ、成魚をタカバ。メジナはツカエ。国道8号から分岐する河野海岸道路沿いは地磯が連続する越前海岸。もともとツカエの魚影の濃いところだが、最近釣れるツカエのサイズがはっきり一回り大きくなったという。このエリアでも年々水温が高くなっているためかもしれない。一時はほとんど姿が見られなかったアイゴも増えている。こちらは地元の呼び名はイタイイタイだというのに笑った。うはは。そのまんまじゃないですか。

イタイイタイは、痛いがうまい。こういうのが増える、ツカエが大きくなるというのは歓迎だが、ここ5、6年で急激に増えて大迷惑をこうむっているのがクラゲだ。その名もずばりのエチゼンクラゲ。越前地方の特産でもなんでもないこの巨大クラゲが今年もすでに、大群で押し寄せつつあるという。

「地磯で竿出しとるとね、5m間隔ぐらいで次から次に流れてきよるんやわ。海面に頭を出して30cmぐらいに見えるんやが近づいてくっと直径が1mぐらいある。そんなんが見渡す限り並んどる」あんなもの、以前は見たこともなかった。これの繁殖地は黄海あたりとされている。中国じゃ食用にするらしいが、自分のところで全部とって食ってしまえばええ、とご立腹だ。

さてさて、その他の沿岸の小物の呼び名を拾っておこう。ハゼの類はほとんど区別なくハゼですませてしまうが、イトヒキハゼとキヌバリは別格でどちらもジョロンボ。ウミハゼというのはアナハゼだ。ヒイラギはシイノハ。椎の葉である。ギュギュと呼ぶ人もある。ギンポはテッキリ。なぜシイノハとテッキリを並べたかというと、これはどちらも焼いて食うとうまいという人がいるからだ。細山田さんご自身は食べたことがない。クジメをシジュウ。これも食べず。ホシササノハベラをモブシで以下同様。アカボーと呼ぶホウボウはダシに漬けて干すとたいへんおいしくアゴというトビウオの浜干しは絶品…って、お好みは干物系ですか?
(2006年11月2日取材)

地元名⇔標準和名

イサザ シロウオ
アカラ キジハタ
カワダイ クロダイ
ハチメ トゴットメバル
アカガシ ウッカリカサゴ
シロダイ ヘダイ
メンカ チダイ
サゴシ サワラ(若魚)
シオ ヒラマサ(若魚)
タカバ イシダイ
ツカエ メジナ
イタイイタイ アイゴ
ジョロンボ イトヒキハゼ
シイノハ ヒイラギ
シジュウ クジメ

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