サヨナラ!? 尼崎魚つり公園
2009年10月05日異例の冬季休園。指定管理者が決まらなければ春になっても門は閉じたまま?
大型のスズキを直下で狙う短竿を使った独特のズボ釣りが定着し、「ここ専門、これ専門」の釣りクラブまで存在するマニアックな釣り人に好まれる釣り場であると同時に、サヨリ回遊時の手軽なウキ釣りがここでの人気ナンバーワンという尼崎市立魚つり公園(兵庫県)は、昭和57年にオープンした桟橋式の釣り公園。
大阪の都心からも近い武庫川河口左岸埋立地の先端部に位置し、南に武庫川尻一文字の東端部を臨む。橋長200mの釣り台は32本の鋼管支柱で支えられている構造のため潮通しが抜群によく、水深も約10mと深いおかげで、スズキ、ハネをはじめチヌやサンバソウなどの魚影が濃く、アジやサヨリなどもよく回遊する。この尼崎市立魚つり公園がこの冬に転機を迎えることになりそうだ。
10月8日、サヨリ釣りで賑わう尼崎市立魚つり公園。昭和57年のオープンは、関西では須磨海づり公園、南港魚つり園に次いで古い。入場者は平成4年の5万8887人をピークに年々減少し平成19年には2万9958人に落ち込んだ。同公園の基本入場料(4時間で大人800円、小人400円、延長料金あり)に対し、近隣の鳴尾浜海づり広場(大人300円、小人150円)、南芦屋浜ベランダ(無料)などフトコロにやさしい釣り施設が整備されたことも利用者数減少の理由のひとつか。ズボ釣りなど、桟橋式構造ゆえの独特の釣りが発達し定着している今、なんとか施設が利用可能なあと10年は存続を願いたいところ
平成20年11月に尼崎市が公表した「魚つり公園(魚つり施設)のあり方について」という資料によると、利用者の減少により毎年約2000万円の赤字で、老朽化により補修などの整備費用も増大、また利用者の4分の3が市外からの来園者であるとし、今後は市の財政状況などを考えると赤字を計上してまでの運営は厳しく廃止の方向となっている。
ただ、必要最低限の補修により概ねあと10年は施設の利用が可能と判断されるため、収支均衡を前提に、それまでは民間企業や民間団体などの指定管理者に業務を引き継いでもらい魚つり公園の運営を継続したいとしている。同市の公園課によればその指定管理者の募集を来月、この11月から始めるのだそう。
もうひとつ気になるのが今年度限定としている長期の冬季休園の件。今シーズンは12月28日までの営業とし、3月いっぱい休園することが決まっている。市によれば最終的に来年2月の市議会の決議をもって指定管理者を決定したいとしているが、応募がなかった場合は4月の再開に間に合わず、春になってもそのまま休園が続く可能性がある。
今回の募集で指定管理者が決まらなかった場合、その後も引き続き管理者の募集を続けると公園課では話しているが、市が打ち出している方向性では「指定管理者の応募がない場合、また指定管理者による収支均衡を図る方策が確保できない場合は、その時点で廃止する」となっているため、魚つり公園のファンからは、今年の年末をもって永遠にサヨナラ、そのまま廃止になってしまうのでは? と危惧する声も出ている。




