改正銃刀法で釣り人書類送検!?
2009年09月16日片刃のフィッシングナイフは一応合法ですが…管理責任の徹底を!
大阪空港の手荷物検査場で刃渡り約9cmの「両刃」のダイビングナイフを所持していた兵庫県の釣り人が、銃刀法(銃砲刀剣類所持等取締法)違反の疑いで8月25日に書類送検されたというニュースを、すでにご存じの方も多いだろう。本人は改正された銃刀法の内容を知らなかったと話しているそうだが、法律改正以前でも、そもそも飛行機内に持ち込む手荷物の検査で絶対にアウトになっていただろう。
最近では少数派になったような気もするが、以前は磯で腰にフィッシングナイフをさげている釣り人がけっこう多かった。たいていはヒップガードのベルトにナイフシースの金具を通して使用し、釣り上げたグレなどの魚をすぐその場でシメるのが一番の目的。エサの袋もさっと切れる、冷凍エサも削れるというメリットもあった。おそらく1970年代までは、ほとんどの人が磯ではスカリを使用し、釣りを終えて陸に上がってからシメてクーラーに入れたものだが、その後、狭いスカリに入れられた魚にはストレスがたまり、波があればスカリごと岩にこすれて魚体も傷み、せっかくの獲物の味が落ちるということで、釣った魚はすぐにシメて氷の入ったクーラーに入れましょう、ということが80年代半ばになって盛んにいわれるようになった。それだけならナイフはクーラーのそばに置いておけばいい話だが、名人名手と呼ばれた人たちが「お腰の物」を付けたスタイルで釣り雑誌に多く登場し、それがなかなかカッコよかったため、磯釣りの世界、特にグレ釣りファンの間で流行したのだ。
釣りで使われているナイフ、いわゆるフィッシングナイフと呼ばれているものはブレードの片側にしか刃がない「片刃」で刃渡り10cm以下のものがメイン。特に磯釣りでは刃の鋭いものを携帯する場合があるので、使用の際は管理責任を徹底させたい。今年改正された銃刀法では刃渡り5.5cm以上でブレードの両側に刃が付いたダガーナイフやダイバーナイフなど「両刃(諸刃)」のナイフの所持そのものが禁止になった。1月5日の施行日から廃棄のための期間(7月4日まで)を過ぎた現在は、使用せず自宅に保管しているだけでも罪になる
釣りを初めアウトドア一般にナイフは欠かせないツールである。魚をシメるだけでなく、魚をさばく、肉や野菜を切るなど調理目的のほか、野山では進路のじゃまになる草や枝を刈るという利用法もあるし、万が一、熊などに出くわしたときの護身のために持っていれば安心という場合もある。ダイバーズナイフは海中で身体が海藻や網に絡まるなどの身の危険を回避する目的が第一だし、超大物釣りなどでも極太の釣り糸やロープが手足にからまり命の危険にさらされた場合にナイフを身につけていれば、とっさにラインを切断することが可能だろう。
釣りで使われるフィッシングナイフと呼ばれているものの多くは「片刃」で、刃渡りは10cmまで、シースと呼ばれる革製の鞘に収めるタイプが主流。魚のシメ具としての意味合いから歯の先端部は非常に鋭い。使用中に手を滑らせて自らを傷つけてしまう事故も少なくない。使い方を誤れば十分に殺傷能力を持つ凶器になりえるが、今年1月に改正施行された銃刀法で所持が禁止された刃渡り5.5cm以上の剣(ダガーナイフなど両側に刃がついた刃物)には当たらず、これまで通りの所持、本来の目的での使用は可能。
しかし、本来の業務および正当な理由(つまり釣りでの使用)による場合を除いての携帯は認められないので注意が必要だ。用もないのにフィッシングナイフを腰に下げたまま街を歩いていると間違いなく御用となる。かなり以前、磯釣りを終え腰にナイフを付け忘れたまま車での帰宅途中に検問にあい逮捕されかけた人がいたらしいが、たまたま磯釣りをよく知っている警官がいたため、厳重注意だけですんだという話を聞いたことがある。これがいまなら許してもらえるかどうか…。
ということなので、ナイフを身につけるのは釣り場だけ、できれば一般人のいない沖磯ぐらいにとどめておいた方が無難。磯に上がってから腰にセットしても遅くないし、帰りは渡船に乗る前に外しておいた方がよいだろう。釣り公園や防波堤など人が多い場所では身につけることはもちろん、クーラーや道具箱の横にも出しっぱなしにせず、面倒くさいが使用のたびにバッグから取り出すようにしたい。もしも凶悪犯罪に利用されでもしたら…考えすぎだろうか。




