ニューススパイラル

大阪湾のゴミ回収に取り組んで四半世紀...クリーンアップ作戦

2008年07月29日

6月1日から30日までの実施期間に89機関・団体、7703人が参加

第五管区海上保安本部では、6月の環境月間中、大阪湾の良好な海洋環境を回復し、海洋環境保全啓発の高揚をはかるため、関係機関・団体・市民と協働して「大阪湾クリーン作戦」を実施、このほどその結果がまとめられた。同作戦は昭和59年から毎年行われているもので、今年で25回目。実施期間は6月1日から30日までの1カ月。近畿地方整備局、大阪府、兵庫県、京都府、和歌山県、奈良県の2府3県と大阪市、神戸市、漁業協同組合連合会、大阪・神戸の各清港会、旅客船協会、環境団体、釣り船・渡船組合など89の機関・団体が参加した。合計参加者は7703人、参加船艇342隻で、計約608トンのゴミが回収された。

6月1日に和歌山市加太の深山湾で実施された清掃活動... 6月1日に和歌山市加太の深山湾で実施された清掃活動には地元市民、ボーイスカウトら140名が参加、約4トンのゴミを回収した

期間中は例年通り、協力機関の事務所やJR、私鉄、地下鉄の主要駅にポスターが掲示されるなど啓発・PR活動も行われた。ポスターに書かれた「大阪湾を美しい豊かな魚庭(なにわ)の海に再生しよう!」というのは平成15年に策定された大阪湾再生計画のスローガンでもある。

期間中に実施された主な清掃活動は以下の通り。

  • 6月1日 阪神港神戸区突堤清掃(兵庫突堤および周辺岸壁のゴミの回収、清掃活動)参加:兵庫県釣りインストラクター連絡機構12名、回収ゴミ約300kg
  • 6月1日 大阪南港清掃(阪神港大阪区大阪南港かもめ大橋付近清掃活動)参加:大阪府釣り団体協議会36名、回収ゴミ約300kg
  • 6月1日 和歌山市加太深山湾清掃(深山湾海岸清掃活動)参加:地元市民、ボーイスカウト、和歌山海上保安部ほか140名、回収ゴミ約4トン
  • 6月5日 大和川河口清掃(大和川河口清掃活動)参加:大阪府港湾局、堺市、大阪府清港会、国交省大和川河川事務所、堺市漁連ほか154名、回収ゴミ約10トン
  • 6月5日 なにわの海クリーン作戦(天保山公園沿岸清掃活動)参加:近畿運輸局、近畿地方整備局、大阪水上警察署ほか50名、回収ゴミ約880kg
  • 6月15日 和歌山市加太友ケ島(池尻浜海岸清掃、海底ゴミ回収、環境保全啓発活動)参加:和歌山市公募の一般市民、和歌山県ダイビング連盟ボランティアダイバー、和歌山市立少年自然の家、加太漁協ほか120名、回収ゴミ約7トン
  • 6月29日 須磨クリーンアップ作戦(須磨海岸およびJR須磨駅前面海域のゴミ回収清掃活動)参加:地元市民、企業、須磨海岸を美しくする運動推進協議会、神戸市みなと総局ほか約4000名、回収ゴミ約3トン
  • 6月30日 庄下川水路クリーン作戦(庄下川および尼崎閘門周辺海域の漂着、浮遊ゴミ等の回収作業活動)参加:尼崎港管理事務所、尼崎市中消防署、阪神釣船業協同組合、尼崎釣船業組合ほか123名、回収ゴミ約2.2トン

6月15日、和歌山市友ヶ島の池尻浜海岸清掃には和歌... 6月15日、和歌山市友ヶ島の池尻浜海岸清掃には和歌山市環境生活課公募による一般市民が参加、同日、野奈浦桟橋付近で実施された海底清掃活動には和歌山県ダイビング連盟のボランティアダイバーたちが協力した

回収ゴミの総量が608トンというのは、雨天によるイベントの中止などが影響して参加人数、参加船底とも大幅に減った昨19年度の作戦結果(582トン)をわずかに上回る過去2番目に少ない量。第五管区海上保安本部の資料によれば、ゴミ回収量は平成10年の1429トンをピークに、年々減少傾向を示しているが、それをもって大阪湾のゴミが減ってきていると結論するわけにはいかないんですね。

大阪湾の浮遊ゴミの量は、それを回収するタイミングによって大きく変わる。雨後、淀川や大和川、武庫川といった湾奥の大河川が増水し、どっと流れ出るようなときは、流域のゴミがまとめて吐き出されてくるし、強い風が吹けば、ある場所から別の場所へ、まとめて吹き集められてしまうこともある。狭いようで広い大阪湾全域のゴミの量を正確につかむのはたいへん難しいわけで、だからこそ「出さない」ことが重要になる。

近年の回収ゴミは、かつて目に付いた車両や古タイヤ、冷蔵庫などの大型のものは減り、家庭ゴミが中心になっているそうだ。全体の31パーセントがプラスチック・ビニール製品に発泡スチロール。ペットボトルやトレー類である。湾奥で投棄されたり河川から流出したこれらのゴミはやがて沖に出て、時計回りの環流に乗り、湾口部へと運ばれていく。淡路島の成ヶ島や和歌山県の友ヶ島の、大阪湾にあっては希少な自然海岸に、大量に漂着しているのは上記の清掃活動結果にも見てとれる。

「大阪湾は集水域に大きな汚濁負荷量の発生源を有する閉鎖水域である」という。巨大な人口と産業を抱える海だ。汚されやすく、きれいになりにくい。もう四半世紀続いたクリーン作戦だが、一定の成果を上げつつ、その趣旨の周知という点では伸び悩んでいると事務局の五管本部警備救難部環境防災課はいう。

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