ニューススパイラル

見張り不十分は海難に直結!?

2008年04月10日

神戸海難審判庁がまとめた「遊漁船海難の分析」にみる最多事例は衝突海難

遊漁船の衝突事故で見張り不十分に起因する事例の中に... 遊漁船の衝突事故で見張り不十分に起因する事例の中には、釣り客の死角になった、世話に気を取られていたなどの証言もあったそう。多くの船が集まる好釣り場はそれだけ事故の危険性も高い。遊漁船を利用する側も船長の作業の妨げにならないよう気をつけるべきだろう

さきごろ函館、仙台、横浜、神戸、広島、門司、長崎の地方海難審判庁が各管轄区域内における遊漁船の海難事故の発生状況をまとめた。船釣りや磯釣りなどの遊漁船が関係した海難の傾向や実態を明らかにして、同種海難の防止に資すること、遊漁船業関係者の安全に対する理解を深めることを目的とするもので、平成13年から同18年までの6年間が対象となっている。

国内では日本海側の富山、石川、福井、京都と瀬戸内、太平洋側の大阪、兵庫、和歌山、徳島、高知の2府7県と滋賀県、奈良県の河川、湖を管轄する神戸地方海難審判庁がまとめた「遊漁船海難の分析」によると、期間中に発生した遊漁船海難は55件。うち28件で70人が負傷、2人が死亡した。海難種別でいえば33件が衝突、次いで乗りあげ8件、死傷等7件。死傷海難とは、船体動揺によって遊漁船の釣り客が死傷したものなどをいい、たとえば冬場の丹後半島沖で、うねりのため釣り場に向け航行中の船の船首部が上下動し、釣り客が腰かけていたクーラーボックスから転落、甲板に臀部を強打して第5腰椎を骨折した事例やアンカーが巻き取りドラムを乗り越えて落下し、釣り客に接触したなどのケースが見られた。

一般に、遊漁船は貨物など他の船舶に比べ死傷者の発生隻数は少ない。神戸地方海難審判庁の管轄では年あたり2~7件なのだが、釣り客を乗船させていることにより1隻あたりの死傷者数は多くなる傾向がある。

全体の6割を占める衝突海難の原因は、そのほとんどが見張り不十分。錨泊・漂泊中の小型船を見落として衝突したものが8割を超えたそうで、それらの遊漁船19隻のうち7隻がレーダーを装備していたが、海難発生当時6隻が使用していなかった。乗りあげ海難はいずれも夜間、船位の確認をしなかったことに起因。レーダーやGPSプロッターを装備していても使用せず、他の物や作業に気を取られて浅場などに乗りあげている。死傷等海難は、釣り客の安全に対する配慮が不十分であったことから起こったものだ。

十分な見張りを! 気象・海象情報は最新のものを! 釣り客の安全が一番! とはもちろん遊漁船業者=船長への呼びかけなのだが、遊漁船を利用する側としてもバランスのよい乗船、荷物の整理整頓、ライフジャケットの着用、気象に関する船長判断への素早い対応などは必須。海上の一日を船長と協力して安全にってことですね。

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