釣りサンコラム

釣り餌MEMOりーず FILE015

2010年07月22日 たかさきふゆき

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FILE015【マムシ】東二見人工島が渡船利用だったころ…

マムシが「噛まれると怖い毒蛇」のことではなくて、投げ釣りなどで使用する「虫餌」だと小学校の高学年になったころには理解していたと思うのだが、そのマムシを初めて使ったのが果たして定番のカレイやアブラメ狙いの投げ釣りだったのかどうか、それとも他の釣りだったのかどうか記憶は定かじゃない。ただ「カレイ釣りにはコガネムシが一番」と思っていた子供のころの自分がいたのは確かなので、絶対的に「マムシ=投げ釣り」でなかったのは間違いない。

明石市の西にある東二見人工島は現在も超人気の釣り場だが、埋立工事の途中だった40年近く前も、すでに絶好のポイントとして脚光を浴びていた。人工島はまだ外周が完成しただけの状態で、内側は完全に土が入っておらず、当然橋も架かっていなかったので、東二見漁港から渡船を利用しての釣りだった。漁港の波止で竿を出しているときに、満杯の釣り客を乗せ、人工島とを行き来する渡船を見ては「いつか僕も」という、あこがれの釣り場だった。

念願かなって、その東二見人工島に親父と通い出し、何回目かの釣行時に一風変わった釣りを見た。ポイントは内向き水道部の石積みの足場。塩ビのパイプを石の上に固定した竿受けに、振出式の長いノベ竿を3本ほどセットして等間隔に並べ、仕掛けには直径3cmほどの赤いセル玉ウキが付いていた。しばらくすると大きな玉ウキがポコポコと踊り出し、その直後にズボッと海中へ。軟らかいノベ竿を大きくしならせて上がってきたのは見事なアブラメ。近年はめっきり少なくなったポンだ。ポンを狙って釣っていたその人は、最小で30cm強、40cmクラスも含めて5、6尾は釣っていたと思う。ぶったまげた!

聞けばウキ釣りであるのにもかかわらず、ハリは投げ釣りで使用する流線型(12~14号ぐらいだったか?)で、見れば流線バリにタラシたっぷりに刺す餌は、なんとマムシだった。狙うのは敷石の切れ目の海藻が生えているあたり。翌週、さっそく真似をしたのはいうまでもない。長いノベ竿の持ち合わせがなかったので並継ぎのイシダイ竿(オリムピックのスーパー18とダイワ精工の小笠原)を2本、ピトンを石畳の隙間に打ち込み、底物釣り用の竿受けにセットして人工島の岸辺に並べた。リールも底物用の両軸(オリムピックのストロングとドルフィン)をそのまま付けていたから、「いったい何釣るねん?」みたいな感じ。ノベ竿という普通の波止釣りの道具を持ってなくてイシダイ竿なら持っているという、けったいな親子だったわけだが、この代用タックルでも、ふたりで2本のポンを釣ることができたのだった。これがマムシという餌を強烈に意識した最初の釣りだったように思うが…。

【MEMORANDUM:マムシ】マムシは関西での呼...【MEMORANDUM:マムシ】マムシは関西での呼び名。標準和名はイワムシで、地方によってイワイソメ、ジャムシ、ホンムシなどと呼ばれるのはご存じの通り。メインはやはり投げ釣りでありまして、カレイ、アブラメ釣りや、夜のキス釣り、チヌやマダイなど大物狙いには欠かせない餌。投げ釣り以外ではイシダイ釣りのウニ餌に仕込んで使う方法も有名。その名もウニマムシ。ポピュラーではないが夏場の紀州釣りでも効果あり。地虫、地マムシというのは、その地方の地先で採取されるイワムシのこと。そういえば大阪府の泉佐野一文字では、古くからチヌの電気ウキ釣りといえば地虫というのが定番だったが、いまでもやっているのかな…?

そういえば和歌山県の周参見に初めて出かけたときもマムシ持参だったはず。渡ったのは白島。ワケもわからないまま磯釣りを始めたころで、投げ竿にジェットテンビンという普段の投げ釣りそのままの仕掛けで投げ込んでいたら30cmほどのタカノハダイが釣れたのを覚えている。強烈だったのはサザエの餌で底物釣りをしていた人に80cmクラスのアオブダイがヒットし、磯の上に横たわった、その魚体の巨大さと、目の覚めるようなブルー、鮮やかな体色。これが無謀にも我流で底物釣りを始めようと思ったきっかけ。つまりこの後にイシダイ竿を購入したワケだから、東二見人工島のポンはこれ以降の話ということになる。

マムシはこんな使い方をしたのも覚えている。中学から高校時代は播磨灘に浮かぶ家島諸島の磯にもよく出かけた。姫路の飾磨港から坊勢汽船で坊勢島に入り、島の渡船であちらこちらの島々や磯に渡してもらっていた。イシダイ竿を買ってからはコブダイ釣りなどもしたが、もっぱらウキ釣りメインで小物釣りをすることが多かった。4.5mほどのグラスの磯竿に小型両軸受けリール、ヘラウキを付けて狙っていた。夏場から秋口が特に面白い。マムシの硬い部分をハサミで小さく輪切りにし、ソデバリにちょんと掛けて釣ったのはベラ(キュウセン)やハゲ(カワハギ&ウマヅラハギ)。ひっきりなしにアタリがあって入れ食い、暑さを忘れて釣りまくったのであった。

成人してからはカレイやキスの投げ釣りで、ほどほどにお世話になった程度で、格別に贔屓(ひいき)の餌というわけではなかった。最近などはマムシを使う釣りをまったくしなくなったけど、今度、磯の夜釣りで使ってみようかと思っている。大バリにたっぷりマムシ、電気ウキ流して徳島県宍喰でイセギ(フエダイ)釣り。またしてもミナミハタンポの餌食にならなきゃいいけどね。

たかさきふゆき たかさきふゆきグレ釣りは湖産エビの時代からのアラフィフ。『釣りサンデー』と共に歩んで26年(たぶん)、ウェブマガジン化を機にフリーランスのライター兼エディターへと変貌を遂げ、活躍の場は広がるばかり?

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